湯船にゆっくりと浸かることで、まず得られるのは「温熱効果」です。体が芯から温まり、血行が促進されます。冷え性やむくみに悩んでいる方にとっては特に大切なポイントです。

また、温まることで筋肉の緊張がゆるみ、関節の動きもスムーズになります。これは、肩こりや腰痛などの慢性的な痛みにも好影響を与えるため、整体の視点からも非常に重要なセルフケアと言えるのです。

そしてもうひとつ見逃せないのが「リラックス効果」。お湯の浮力で体が軽くなり、副交感神経(リラックス状態)が優位になります。これにより、心が穏やかになり、ストレスの解消や安眠にもつながるのです。

一方で、シャワーだけでは体の表面は洗えても、深部まで温めることは難しく、血流の促進も限定的です。忙しい日や暑い季節には便利ですが、心身をしっかりとケアするには物足りないと言えるでしょう。

特に冷えが気になる季節や、疲れが溜まっていると感じるときほど、シャワーだけでは体が温まりきらず、睡眠の質も低下しやすくなります。

さらに、シャワーだけだと「呼吸が浅くなる」「気持ちの切り替えがうまくいかない」といった方も少なくありません。これは、湯船につかることで自然と深呼吸が促され、心と体が緩むプロセスが欠けてしまうためです

整体では、「体の緊張を緩めること」が施術の大きな目的の一つですが、それを日常生活でも継続できるようにするには、湯船に浸かる習慣がとても効果的です。

特に、背中や腰、肩のこわばりが強い方は、筋肉が冷えて血流が悪くなっているケースが多く見られます。そんなとき、温かいお風呂にゆっくり入ることで、施術の効果も長持ちしやすくなり、体の回復も早まります。

また、湯船に浸かることで副交感神経が優位になると、自然と呼吸が深くなり、眠りの質も向上します。睡眠不足は痛みや疲労回復を妨げるため、ぐっすり眠れる体づくりにもお風呂は大切な役割を果たしているのです。

「毎日30分も湯船に浸かるのは無理」という方でも大丈夫。実は、10分〜15分程度の入浴でも十分に効果があります。

温度は38〜40度くらいのぬるめのお湯がおすすめです。熱すぎると交感神経が刺激されてしまい、逆に体が緊張してしまうので注意が必要です。

入浴中は、スマホを見たりせず、目を閉じて呼吸を感じたり、ぼーっとするだけでもリラックス効果が高まります。「1日の終わりに湯船で心をほどく」そんな時間をつくってみてはいかがでしょうか?

私たちは日々、仕事や家庭、さまざまな役割に追われ、自分の体や心の声に気づけないことがあります。だからこそ、湯船に浸かる10分間は、「自分をいたわる」ための大切な時間なのです。

心と体の緊張がほぐれれば、自然と元気も湧いてきます。「最近なんだか疲れが取れない」「眠ってもスッキリしない」という方こそ、シャワーだけでなく、ぜひ湯船に浸かる習慣を取り入れてみてください。

整体の効果を高めたい方にも、健康を維持したい方にも、毎日の入浴は最高のセルフケアです。